「人は、,なぜ約束の時間に遅れるのか 素朴な疑問から考える「行動の原因」 (光文社新書)」を読んだ

人は、なぜ約束の時間に遅れるのか 素朴な疑問から考える「行動の原因」 (光文社新書)

人は、なぜ約束の時間に遅れるのか 素朴な疑問から考える「行動の原因」 (光文社新書)

買うまでのいつものアレ

 最近は本屋でグダグダです。本屋難民と言ってもよいでしょう。漫画コーナーに行っては1巻だけ立ち読み可能な本を読んだり、雑誌コーナーに行ってはガンプラが載っている雑誌を見たり、そんで電車の中でよむ電車本を見つけようと新書コーナーをウロラウロラと・・・「外が寒いんだから本屋でのんびりして暖まっているんだな?飲み屋に行く金も無いヒラリーマンが!(怒)」と本屋の店員からウザがられているみたいです。


 そんな中、新書コーナーに平積みされた本の中で著者の名前に「島」の字が・・・たしか島宗理さんの「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」は良かったなぁと思いつつ再度見ると「島宗理」とある。オオォー!俺のネ申発見!とばかりに「日立 世界不思議発見」のテーマソングが「チャラッチャッチャーー♪」と鳴った。多分、「島宗理」という先行条件があると「購入」そして「面白い(↑)」という行動随伴性があるのだろう。行動心理学の初心者本とは思いつつ、グワシっとつかんで(まことちゃん風)意気揚々とレジに向かった自分がいた。ちょっと前に読んだ似非心理学者の本よりはコッチの方が断然面白すぎるだろう。

本の内容とか、感想とか

 前作?前に自分が読んだ「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」に比べ、より突っ込んだ内容になっています。前述の本はストーリーがあり、その問題点をABC分析で洗い出し、解決するものでしたが、こちらでは「視考術」というものを中心にしています。前述の「パフォーマンス〜」では出てきたABC分析や好子、嫌子がこちらでは出てきません。代わりに出てくるのが「行動随伴性ダイアグラム」と言うものです。


 このダイアグラムはABC分析をもっと多面的に見えるようにした図で、著者はこの図を描いて分析することを「ビデオクリップ法」と読んでいます。このダイアグラムを描くことにより、本書の中核的な手法である「視考術」を行い、行動を促す環境、その行動の結果から原因を深堀りしていきます。そして、ちょっと茶目っ気のある解決案とか。


 本書のタイトルである「人は、なぜ約束の時間に遅れるのか」「血液型占いから見る性格を分析する」と言った身近なものから、章が進むにつれ、記憶、道徳観、思考、意識とより高度な人間だけが持つ抽象度の高い概念までも行動分析学での解釈(考えるも行動とか、感情も行動など、徹底してすべての事象を行動と捉える)を紹介し、ビデオクリップ法を使い視考術で分析していき、行動分析学の面白さを説いていきます。


 以前読んだ、「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」も頭のなかで何かがはじけ飛ぶ感じがして参考になるなと感じましたが、前著のときよりもダイアグラムが自分に合っている感じがしたのか、とてもよく理解ができました。


 行動分析学の入門書なので、そんなに難しいことは書いていませんし、ダイアグラムや前著のABC分析など、僕みたいなサラリーマンのおっさんにもできそうなことばかりです。非常に参考になると思います。ヤッパ行動分析学だわ!なんて思いました。なんかいろんな啓発本読んだけど実践できないんだよなぁって方、お勧めです。手に取ってみてください。

用語集

 本書を読んで行動分析学を学ぶ上で、本書の中で出てきた用語を抜き出しました。意味とかそのうち書くかもしれません。

視考術(p8)
ダイアグラム(p22)
課題分析(p25)
先行事象(p28)
後続事象(p29)
強化(p30)
弱化(p31)
行動随伴性(p39)
反射律(p52)
部分強化(p52)
消去(p56)
行動内在的随伴性(p78)
派生(p102)
汎化(p124)
弁別(p128)
刺激等価性(178p)
ルール(p183)
行動の慣性(p202)
馴化(p204)
オペラント(p206)
レスポンデント(p206)
無条件刺激(p208)


パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学